ジャンヌ・サマリーの肖像


愛知県美術館で開催されているプーシキン美術館展に行ってきました。
ロシアの博物館に所蔵されている、フランスを中心とした絵画の展示です。
何故、ロシアでフランスと思う人もいるでしょうが、ロシアは帝政時代からフランスへの憧れが強く、貴族や実業家が金に糸目をつけず収集していました。
それがロシア革命で政府に没収され、今はプーシキン美術館に展示されています。
愛知県美術館では、17世紀の古典主義から18世紀のロマン主義、19世紀の印象主義、20世紀以降と時代ごとに纏めて展示されていました。
古典主義の人・物をありのままに写そうとする技術の高さや、印象主義の空気感のある柔らかい表現には驚かされました。
展示品の中ではルノワールのジャンヌ・サマリーの肖像が白眉でした。
ピンクがかった背景がほんわかとした雰囲気を醸しており、その中に柔らかいタッチで描かれる少女が何ともいえずかわいらしいです。
実際は体格のいい女性だったようですが、絵の中の彼女はまさに華麗な乙女の象徴ですね。
この絵を見ることができただけでも、今回の展示に行った甲斐があったように思います。